年上上司は口うるさい?

経験値・役割・認知バイアスから考えるビジネス現場への示唆

年長者と話していてこう思ったことはありませんか?
「私の話を聞いてもらえていない」
「押し付けがましい言い方が気になる」
「いつも指示・命令口調で話してくる」

ふとした違和感の背景には、年齢そのものだけではなく、年齢に伴う社会的役割自己認識の変化が影響している可能性があります。
職場の年長者とのコミュニケーションについてお悩みの方はぜひご一読ください。

年齢と社会的役割が行動に与える影響

日本に限らず、年齢が上になると「考える立場」「助言する立場」として周囲から期待されることがあります。
この期待は本人にも作用し、「教えなければ」「導かなければ」という思いから指示的な口調断定的な発言につながることがあります。

年齢を重ねれば経験値が増え、それが自信につながります。
この自信は心理学でいう自己効力感(「自分はできる」という感覚)を強め、結果として「こうすべき」という確信をもった発言が増えるのです。

経験がもたらす認知の歪み

認知心理学では、人は自分の経験や知識をもとに意思決定をします。
その際に起きやすいのが確証バイアス*1)です。
これは、自分の信念を裏づける情報ばかりを重視し、反する情報を無意識に排除する傾向のこと。
経験を積んだビジネスパーソンほど「これまでの成功パターン」に引っ張られやすく、知らず知らずのうちに強い口調一方的な判断に傾くことがあります。

年齢と環境が生む孤独・ストレス

年齢が上がるにつれ、

  • 家族と別に暮らす

  • 相談相手が減る

  • 仕事の責任が増える

といった環境変化が起こりやすくなります。
その結果、自分のやり方に強い確信を持ちやすくなり、孤独や不安を埋めるために指示的な言動として現れる場合があります。
心理学ではこれをコーピング(対処行動)*2)と呼び、ストレスを自分なりにコントロールしようとする働きの一つです。

職場でのコミュニケーション改善のヒント

では、こうした状況に気づいたとき、私たちはどう関わればいいのでしょうか。
年齢に関係なく試せるポイントを挙げます。

本人ができること

  • 周囲に自分のことを話せる仲間を作る

  • 相手の意見を最後まで聞いてから自分の意見を伝える

  • 過去の成功体験だけで判断していないかを振り返る

周囲ができること

  • 相手の経験を尊重したうえで「あなたはどう思いますか?」とオープンクエスチョンを投げる

  • 普段からこまめなコミュニケーションを心がける

  • 1対1の対話の時間を確保し、安心して話せる場をつくる

これらはマネジメントやチーム運営にもそのまま活かせます。
「年齢だから仕方ない」と片づけるのではなく、背景にある心理に目を向けることで、より良い関係性を築くことができるでしょう。

年齢に関係なく孤独はやってくる

年齢を重ねると口うるさくなる
この現象には「経験による自信」「社会的役割」「認知バイアス」「孤独やストレス」といった複数の要因が絡んでいます。

重要なのは、年齢そのものではなく環境や心理的要因が行動に影響しているという視点です。
自分や周囲の言動に違和感を覚えたとき、それは改善へのサインかもしれません。

ビジネスの現場でも、立場や年齢に関わらず、

  • 相手の話を聴く

  • 自分の認知を疑う

  • 自分の孤独を救う場を作る

この3つを意識することで、対話の質が大きく変わります。
今日のコミュニケーションに、ぜひ取り入れてみてください。

注釈:

*1)確証バイアス:
自分がすでに持っている信念や仮説を裏付ける情報ばかりを選択的に集めたり、重視したりする傾向のことです。逆に、その信念に反する情報を無視したり、軽視したりします。
認知の歪み(認知バイアス)の具体的なパターンの一つであり、情報の収集と解釈に特化した歪みと言えます。

*2)コーピング(対処行動):
ストレス状態にある人が、その状況を管理・克服するために意識的に行う認知的、行動的な努力(対処行動)のこと。
年齢が上がって、自分の思う通りにならないところが身体的にも環境的にも出てくることがあります。
一人でいると、自分で意思決定はできるものの孤独による不安や無力感から他者に働きかけ指示・命令口調になるという現象として現れることがあります。

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