学習理論をベースにコーチングを加速させる
こんにちは、オンライン事務代行のシブサワです。
皆さんは「発見学習」という言葉をご存知でしょうか?教育心理学者であるブルーナーが提唱したこの学習法は、学習者が自ら知識を発見し、理解を深めていくというものです。学習の答えを教わるのではなく、自分で考え、学び、答えを見つけていく方法です。場合によっては多くの時間とリソースが必要であり、スピーディな結果は得られないこともあります。
他の学習方法では学校でよく見られる「プログラム学習」があります。これは、小さなステップで学習を進め、ゲームのように一つ一つクリアしていくことで学習者が自信を持って取り組んでいくことができる方法です。カリキュラムは指導者によって作成され、それに沿って進めていくため学習者の主体性や個別対応は難しいという難点があります。
一方、コーチングは、クライアント自身が持つ潜在能力を引き出し、目標達成をサポートするプロセスです。
一見異なるように思えるこの学習方法とコーチングですが、実は共通点がたくさんあります。
ブルーナーの発見学習とコーチングの共通点
- 主体的な学び:どちらも学習者(クライアント)が主体的に学び、成長することを目指します。
- 問いを大切にする:問いを立て、自ら答えを探していくプロセスが重要です。
- 個別性:一人ひとりの状況やペースに合わせて、最適なサポートを提供します。
コーチングの場面では、クライアントが自身の課題や目標を明確にし、解決策を見つけるために、発見学習の考え方が活かされています。
「発見学習」の大きな特徴である「本人の発想・考え」を重視した進め方はコーチングの最たる特性でもあります。
スキナーのプログラム学習とコーチングの共通点
- 目標設定:事前に最終的なゴール(目標)を設定しています。
- 段階的なアプローチ:設定したゴール(目標)達成に向けて小さなステップを踏んでいきます。
- 正の強化(報酬)の確認:モチベーションを高める要素として達成後に得られるものをお互いに認識します。
プログラム学習の特徴としてオペラント条件付け *1)を応用した考え方を取り入れています。
コーチングでは「それが叶ったらどのような状態・気持ちになるか」という問いを投げかける場面もあり、クライアントに目標達成後の理想の状態をイメージすることでモチベーションの強化を促しています。
学習理論を踏まえたコーチングプロセス
では、これらの共通点を踏まえてコーチングプロセスを再度見直してみましょう。
- 目標設定:クライアントの最終的に辿り着きたいゴール(目標)を設定します。
- 問いを投げかける: コーチは、クライアントに「本当にやりたいことは?」「どんな未来を描きたいのか?」といった問いを投げかけます。
- 仮説を立てる: クライアントは、コーチの問いかけに対して、様々な仮説を立てていきます。
- スモールステップで行動する :クライアントは、立てた仮説を検証するために、現時点で自分のできそうな行動や新たな情報収集を行います。
- 新たな気づきを得る: 行動の結果得られら気づき、事実の検証を行いクライアントは自己理解を深めます。
このように、コーチングには学習理論と共通するメソッドが散りばめられておりクライアントの学習、目標達成を最大限に助けるものとなっています。
理論を理解した上でセッションに臨むと自分が今どの位置にいて何を行なっているかが明確になり目的意識も持ちやすくなります。
学習理論を日常生活に取り入れてみよう
コーチングだけでなく学習理論は日常生活の中でも取り入れやすい考え方です。
ぜひ、日々の中でお試しくださいね。
- 興味あることを見つける:自分の興味のあることを見つけてみましょう。内的動機づけ *2)のあるものは持続がしやすいです。
- 独自のアイデア・考えを持ってみる:興味あることに対して自分なりの発想や考えを整理してみましょう。
- 小さなところから始めてみる:最終ゴールに向かいいて「今できることとは?」を考え、行動してみましょう。
オンライン事務代行としてのサポートはこんなことをします
コーチングセッションはもちろんですが、事務代行の中でも学習理論を取り入れたサポートを提供いたします。
目標設定の支援
ビジョンボード作成、目標達成シートの作成など、目標設定を具体的にサポートします。行動計画の作成
計画表の作成、タスク管理ツールの導入支援など、目標達成に向けた行動計画を立てます。セッション記録
セッション後の振り返りを行いセッション内容の記録、アクションプランの記録を行います。
単なる事務代行だけでなく、コーチングの実施を最大限に生かすを支援します。
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注釈
*1)オペラント条件付け:
スキナーによって提唱された。ある行動はその行動の直後に起こる結果によるところが大きいとする考え方。良い結果が伴ばその後、同じ振る舞いをすることが増え、逆に悪い結果が伴えばその後、同じ振る舞いは減ると考える。
結果により行動が増えることを強化、減ることを弱化と呼ぶ。
*2)内的動機づけ:
自分の興味や好奇心からスタートし、自分なりに目標を決め行動し、得られら結果によって達成感、自己効力感、充実感や成長を求めて自ら動くこと。
他、代表的な動機づけには「外的動機づけ」がある。こちらは自発的に目標を決め、行動することとは異なり外的要因(主に報酬や評価など)の目的のために動くことをいう。