経営者がアイデンティティの確立を考えるべき理由

 こんにちは。オンライン事務代行のシブサワです。
 日頃、経営者含め様々なビジネスパーソンと接し、その活躍を間近でサポートしたりお話を聞く中で、「アイデンティティの確立」について考えることが多々あります。

アイデンティティの確立とは

 アイデンティティの確立(*1)は、心理学においても重要なテーマです。私は産業カウンセラーとして、多くの働く人々から「やりたいことがない」「将来の夢が見つからない」「自分の好きなものが分からない」といった悩みを聞くことがよくあります。これらの悩みは、エリクソン(*2)の提唱した発達段階(*3)の一つである「アイデンティティの確立―アイデンティティの拡散」に非常に近いものを感じます。自分が何者であるかが分からないからこそ、将来の展望ややりたいことを見失ってしまうのです。

 私の考えるアイデンティティの確立とは、自己認識によって完結するものです。例えば、現在の私のアイデンティティを問われたら、「女性、日本人、産業カウンセラー」といった事実を認識するだけでアイデンティティは確立されると考えています。もし「これじゃない」という違和感や納得感がないのであれば、その納得感や満足度を変化させることは、自助努力によっていくらでも可能です。

経営者にとってのアイデンティティの変化

 また、アイデンティティはいくらでも変化して良いものです。これは経営者にとっても重要な視点です。ライフイベントごとに自然とアイデンティティが変化するのと同様に、経営者も環境や状況の変化に応じて自分のアイデンティティを柔軟に変えていくことが求められます。例えば、子どもの時、学生の時、社会人として、結婚して、親になって、と変化していくように経営の過程でもアイデンティティは変化します。

 企業の成長に伴い、経営者としての役割や目標も変わってきます。会社を設立したばかりの自分と、成長して多くの社員を抱えるようになった自分では、求められる役割も変わります。家族との時間を大切にしつつも、ビジネスの成功を目指す中で、アイデンティティが変わるのは自然なことです。

 「確立」という言葉のイメージから揺るぎないもの、絶対に変わらないものといった思い込みがある可能性があり、そのバイアスを取り除き、今の自分をフラットに認めていくことが大切です。

経営者のアイデンティティ確立の実践方法

 では、経営者はどのようにしてアイデンティティを確立し、それをビジネスに活かすことができるのでしょうか。以下のポイントを参考にしてください。

1. 自己認識を深める

 現在の自分の状況、役割、価値観をしっかりと認識しましょう。これにより、ビジネスの方向性や意思決定の基盤が明確になります。

2. 今の自分を受け入れ

 今の自分、特に不完全な自分を受け入れることが重要です。自分の弱みや欠点を認め、それを個性として活かしていくことが、真のアイデンティティ確立につながります。

3. 柔軟に変化していく

 アイデンティティは固定されたものではなく、変化するものです。環境の変化や新しい経験を受け入れ、それに応じて自分のアイデンティティも柔軟に変えていくことが重要です。

アイデンティティがもたらす企業の成長

 経営者やお仕事に従事する皆様が自分自身を深く理解することで、より主体的に事業を運営し、成功へと導くことができます。自己認識やビジョンの明確化は、日々の意思決定をスムーズにし、組織の成長を促進します。

 発達段階の課題を完璧にクリアする必要はありません。むしろ、足りない部分や課題は、成長のチャンスと捉えることができます。

カウンセラーとしてのサポートはこんなことをします

コーチングセッション、企業内の1on1代行ではアイデンティティ、ひいては自分のやりたいこと、人生の目標探しのためにこのようなことについて経営者、スタッフの皆さんと対話をします。

自己認識を深める:
現在の自分自身の状況を客観的に分析し、自分らしさを見つけるお手伝いをします。

価値観を明確にする:
自分にとって何が大切なのかを整理し、人生の方向性を定めるお手伝いをします。

行動を促す:
目標達成に向けて具体的な行動計画を立て、実行していくお手伝いをします。

ぜひ、この機会に自分自身と向き合い、真のアイデンティティを確立してください。

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注釈

*1)アイデンティティの確立:エリクソンの提唱した発達段階の中で青年期(13歳〜)に乗り越えるべき課題とされている。

*2)エリクソン:ドイツ生まれの発達心理学者・精神分析学者。フロイトに師事。ナチスの迫害を逃れてアメリカ合衆国へ移住。その後、ハーバード大学で児童心理学者として活躍。

*3)発達段階:エリクソンが提唱した心理社会的発達理論。人間の一生を8つの段階に分けて、それぞれの段階で乗り越えるべき課題と、その課題を乗り越えることで獲得できる要素を表している。